2012.03.17 宮城県石巻市イオンモール「科学で東北を盛り上げ隊!」

2012年3月17日、今回私たちはやまがた科学の花咲くプロジェクト主催の【科学で東北を盛り上げ隊!@石巻】に参加してまいりました。

 

イオンモール石巻店内の3つの広場を利用し、参加16団体が各々のブースで、27の実験を行いました。 
各団体とも展示に工夫を凝らし、スライム実験や光るストラップ、バランストンボ、ロボットアーム等、魅力的な出展がされていました。

 

会場は終日大賑わいで、ご父兄に連れられた幼稚園生から、小学生ぐらいまでと大勢の子どもたちが、このイベントに参加されていたようです。 
完成品の詰まった袋を嬉しそうに持ちながら、様々なブースを渡り歩いていた子どもたちの姿が、とても印象的でした。

 

私たち【サイエンス&テクノロジー for all】は、磁石と電池、コイルを使ったモーター作り体験を行いました。

 

作り方は 、写真のように紙コップの底を2枚の磁石で挟み、コイルを乗せた時に、 
紙コップの中央にコイルが来るように、変形させたクリップの支えを2箇所に貼ります。

 

コイル状に巻いたワイヤーを用意し、電流が流れるように、ワイヤーの径の半分の被膜を 
紙やすりで削ります。 
クリップと電池を導線でつなぎ、コイルをクリップに乗せると、磁力によりコイルが回転する 
という仕組みです。

 

小さな子どもたちは、コイルを削ることに悪戦苦闘していましたが、コイルが回転したときに、 
パッと笑顔がひろがり、見ている私たちまで嬉しく、童心に還った気持ちになりました。 
講師を務めた私たちにとっても、心に刻まれる体験になりました。

 

私たちのブースも、予想以上に多くの子ども達が参加してくれ、200個用意した材料も 
ほとんどなくなった程、大盛況でした。

 

目に見えない電気と磁石の力でコイルが回りだした瞬間を、どんな想いと一緒に刻んでくれたのか、 
どんな風にご家族に報告してくれたのか?「スゴイ!」をたくさん持って帰ってくれたかな? 
担当した子ども達の笑顔を思い出す度に、今でも、そんな気持ちになります。

 

震災後1年が経過した石巻市は、日常を取り戻したかのように見えました。 
しかし、日々の生活のすぐそばには、まだまだ手つかずの瓦礫が山積みになっていました。

 

高台の公園から、見下ろした風景・・・。美しい穏やかな海のすぐ内側にあった町は、今はそこにありません。 
震災の傷跡と隣り合わせで営まなくてはいけない復興の日々を想像すると、被災者ではない私たちが、 
いかに関わり続けて行くべきなのか・・・と考えさせられます。 
多くの人の手による、小さくても温かな支援が、継続的になされていく事を祈るばかりです。

 

今回、私たちが行った【モーターづくり】という小さな一つの体験が、 
子どもたちの達成感につながり、自信や夢を持つきっかけになるのなら、 
大人である私たちが、そのきっかけを作り続けていいきたい。 
私たち【サイエンス&テクノロジー for all】は、これからも科学を通じて、子ども達に笑顔を届けて行きたいと思います。

 

次回は、皆さんに会えるかもしれませんね! 

<ゲストスタッフ 村上さんより>

 

 一昨年あたりから、子供達に電子工作の面白さを教えたい。その様な活動を近くで行っている団体がないか、ネットで調べていたら、「科学の花咲くプロジェクト」のあることを知り、20122月に、山形市にある事務局を訪ねました。その時に、317日宮城県石巻市で「科学で東北を盛り上げ隊!@石巻」があることを紹介され、早速申し込みました。私にとって、初体験であり、うまくやれるか、ちょっと不安な面もありました。

 

 317日当日、会場についてからは「Science&technology for all」の皆様が暖かく、気軽に迎い入れてくださり、直ぐ打ち解けてモーター作りの活動に参加できました。モーターのコイルになるエナメル線の被服を紙やすりで上手にはがせることが出来るかで、一回でモーターが回るか、何回か紙やすりで削りなおして回るようになるかの違いがありました。クルクル回り始めると思わず「良かったね!出来たね!」と私の方から拍手が出ていました。子供もニコッとして喜びます。「良かったね!」は何度か、ヤスリがけを手伝って、回ることが出来たことによって、自分がホットして出てきた喜びの言葉でもありました。子供たちに出来上がって「作ってみて、どうだった?」と聞くと、「楽しかった!」と笑顔で答える子供がたくさんいました。

 

 今まで趣味で、ラジオ、ミニアンプ、ライントレーサー、センサーライト・・・など遊び心で製作したりしていたのですが、子供達に接してやって見ると「いまの言葉はちょっと難しかったな」「どうすればもっと興味を持ってもらえるかな」とか、次回に向けての反省点も出てきますが、何より、子供達の反応からこちらがヤル気になったり、うれしい、楽しい気分になります。そういう意味で「子供達に電子工作を教えたい・・・」というのは、上から目線だっだのに気づかされます。「電子工作を通じて、子供たちと一緒に感動を共有する場(教室)」と自分の考え方も変わりました。これから自分なりに子供たちと感動を共有できるモノづくり教室のアイデアを考える楽しみが出来ました。

 

 主催された「やまがた科学の花咲くプロジェクト」の皆様、一緒に活動させていただきました「Science&technology for all」の皆様、たくさんの子供達、ありがとうございました。

 

                             会社員 58歳 村上

【科学で東北を盛り上げ隊!@石巻】 
主催:やまがた「科学の花咲く」プロジェクト(提案:山形県、運営:山形大学)JTS地域の科学推進事業「地域ネットワーク支援」 
共済:鶴岡市立加茂水族館、山形県立博物館、鶴岡工業高等専門学校、東北文教大学、石巻専修大学、仙台市科学館、ガリレオ工房、東海大学 、東北大学大学院理学研究科、南三陸海岸ジオパーク準備員会、サイエンス&テクノロジー for All、宮城教育大学、化学同人、東北芸術工科大学 
後援:石巻市教育委員会、東松島市教育委員会、女川町教育委員会、サカタ理化学、田宮印刷、イオンモール石巻